スキャナで過去が蘇る。

写真を整理していたら、古い写真が出てきたので、
ご紹介させていただきます。


昭和47(1972)年頃、横浜市磯子区の国道16号、
天神橋バス停付近を走る横浜市電です。
まもなく廃業を迎えて、きれいに飾った花電車も走りました。
意外にも、ガードレールの形は今も昔も変わりません。


昭和40(1965)年頃横浜~木更津間に就航した、
東京湾フェリーの「よこはま丸」です。一見小さく見えますが、
乗客定員700人、トラック13台、乗用車45台、バス10台
を積載と、頼もしい船でした。
今は横須賀ー久里浜航路が残るだけですが、
アクアライン渋滞時にフェリーにのんびり揺られて帰るのもいいかもしれません。


フィルムスキャナ機能のあるフラットベッドスキャナで
取り込んだのがこちらです。1966年の長崎。
右下の店舗らしい建物の看板に、「カステラ」の文字が見えます。

写真を整理することで、貴重な過去の記録と改めて認識できたと同時に、
自分を見つめ直す良い機会となりました。
過去があるから今こうして自分がいます。
またスキャナで手軽に多くの方々と共有できるようになりました。
いろんな方が過去を振り返るきっかけになればいいなと思います。


ところでこのフィルムは、スライド投影用のマウントフィルムで、
他にも20枚ほどありました。
普通にプリントショップへ持ち込めば現像できると信じていたところ、
仲介で費用も時間もかかります。さらにインターネットで調べてみると、
古いフィルムを現像およびデータ化する会社が複数ありました。
現像や送料、データ化などの経費を入れると3,000円前後で
引き受けてくれるようですが、せっかくの機会だから、
中古のスキャナを入手して自分でデータ化しようと考えました。

オークションで落札した商品、Canoscan 8000Fは取引も順調に進み、
商品も無事到着しました。Canoscan 8000Fは、紙の原稿や写真だけでなく、
フィルムもスキャンできる優れもの?です。
ところが勉強不足な自分は、今持っているスキャナ同様、
パソコンにつないでドライバをメーカーからダウンロードすればすぐに使用できると
軽く考えていました。

喜々としてメーカーのホームページからドライバを
ダウンロードしようとしたところ、最初から思いきりつまずきます。
今使用しているMacの10.6.8用のドライバがありません。
しかし、古いMacBookの10.4.11なら使用できるドライバがあったので、
それをダウンロードしました。

MacBookでドライバソフトを立ち上げ、説明書どおりにスキャナを
USBで接続したうえ電源も入れたところ、こんどは併用する
画像編集ソフトが立ち上がっていないと稼動しないことが判明しました。
とにかくjpg画像で読み取り、保存すればいいだけなのですが、
その指定の画像編集ソフトを立ち上げていないと、なぜか先に進まない
仕組みになっています。

そこで添付されていたCDから画像編集や閲覧するソフトを
取り入れようとしたところ、こんどはクラシック環境(OS9以前)
でないと立ち上げることができませんでした。
そのソフトはCanonではなぜか配布していないため、
日本法人のサイトから最新の体験版をダウンロードして実行しました。

その場しのぎ的ですがとにかく準備は整ったので、
いよいよスキャナに電源を入れたところ、こんどはスキャナ自体が
異音とともに動いたり途中で止まったりで、もう頭真っ白、万事休す。

何も考えないでスキャナに飛びついてしまったことを猛省し、
しかし悩み続けるほど若くもないので、ここは一度全部放り出して、
頭を切り換えることにしました。

まる1日経って、台風18号が過ぎ去った頃、ダメモトでまたMacBookに電源を入れ、
ドライバと画像ソフトを立ち上げ、スキャナを接続したところ、
一瞬異音ではない音がしたので、もしかして?とおそるおそるボタンを押して
原稿を読み取らせると、なんと、画面には読み取った原稿がしっかりと
映し出されていました。また動かなくならないうちにと大急ぎで作業を進め、
なんとか最後までフィルムを読み取ることができました。

落札した商品はノークレームノーリターンだから、故障は基本的に泣き寝入り、と
あきらめていたので、心底安心しました。

なんとかフィルムを全部データ化できたし、親戚にも見せられたし、
古い機械を動かせるようになったのだからせめて
達成感や充実感があってもいいようなものの、
脱力感しか残りませんでした。

機械的にはまだ使用できるのでしょうが、動かすソフトが古くなり、
WindowsウィンドウズやMacのOSもどんどん新しくなっていく中で、
おそらく想像以上に多くの商品が在庫や廃棄処分に
なったと思うとなかなか素直に喜べませんでした。

コメント