クーポンの闇

先日は、大手チェーン焼き肉店のクーポンが新聞折り込み広告に
入ってきたので、行ってきました。
こういうきっかけがないとこういうお店にはめったに行きません。

週末の渋滞を避けて回り道を慎重に選びながら18時近くに到着すると、
広い駐車場に、車が1台も見当たりません。
お客さんが少ないのを目の当たりにするのはとても心細いものです。
照明もなくて真っ暗ですと、車上荒らしの格好の仕事場にもなります。

それでも照明のある明るい駐車場に3台ほど停まっていたので、
勇気を出して店に入りました。

店内には数組の客がいました。
週末のファミレスなんてこんなものか、と半ばアキレながら、
持参した広告を、注文を取りにきた店員さんに見せながら注文しました。
まもなく出てきた注文品の数々を隅々まで全部食べたあとはレジへ。

外食でも自宅でもそうですが、出たもの作ったものは
全部いただきます。
食べたくても食べられなかった先人の方々への供養と勝手に決めて、
とにかく全部いただきます。

ところがレジで店員さんは、
「クーポンは無効です」
とおっしゃいました。
「は??」
あとでよく見ると、たしかに「注文時に切り取って渡してください」
と書いてありました。

無効なら、と普通に6,000円前後の会計を済ませて
店から出てきました。広告は持ち帰りました。


帰り道でだんだん腹が立ってきたのは、
自分は注文時には、持参した広告をシッカリ見せていたということです。

そこで店員さんはせめて
「切り取って使うんですよ」
と助言したりしないのでしょうか。
ハサミやカッターを持っていなければ、マジックで「×」を
するだけでもいいのでは…
しかし店員さんはマニュアル通りのことしかしないだろうから、
まぁ無理といえば無理な話です。

結局は、
「クーポンの使い方を知らないアンタが悪い」
ということでしょうが、
やはり後味の悪い感じが残りました。

帰宅後、その本社には、その日あったことや感じたことを、
問い合わせフォームで送信しましたが、
内容以外の住所、氏名、電話番号他の個人情報は
入力必須項目になっていませんでした。
一応メールアドレスは入力しましたが、今だに
返信がないので、おそらく今後も対応はないでしょう。


ただ、先日知ったのは、
「クーポンを使う客に出すものは手を抜く」
つまり原価を下げたり量を調整する、ということです。

そういうのがなかった(はず)ですから
まともだったという気もします。

また、クーポンを使ったとしても

「安くしてあげている」
「安くしてもらったからサービス/内容には文句言いません」

という、これまたあまり精神衛生上良くない心の取引
をしなくてすんだので安心、という気もしてきます。

ただし、そういう心の取引をわざわざしたくて外食には行きません。
たまには外でおいしいものを食べてみよう、という
単純な希望しかありません。
そういう取引は疲れるだけなので、結局は、

「もう行かない」

という選択肢にたどり着きます。


いずれにしても、
単純に3人だったから1人2,000円という単価は高すぎます。
チェーンではない普通に繁盛している食堂で、
1,000円以下でももっとおいしい健全な食事ができました。

そして、どこの外食産業でもそうですが、
駐車場に車がない時点で引き下がるべきでした。
勇気を出して店に入るなどもっての他です。
そんなものは生涯でも大きなムダ使いに過ぎず、
決して後から讃えられるものではありません。
無理して挑むより、あっさり止めてしまうほうが
尊い場合もたくさんあります。


また、別の大手チェーン店で「生産性向上した」という割には
「味が落ちた」というお話も聞きました。
家で作って食べるのと変わらない、とか
「自分で作ったほうがおいしいかも??」と感じたら、
それはもはや行って食べる意味がありません。

妥協するしかない選択肢しかない時以外は、
おそらく今後は1店舗(または暖簾分け的に数店舗)の
お店で、そこだけのお味に投資する方々が増える予感がしました。

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