現役の昭和

風邪や花粉症のアレルギーで苦痛なのは、
自分はとくに、咳です。
喉の痛みから始まり、咳払いの頻度が増えて、
やがて本格的な咳へと進化?していくのが
自分の風邪のパターンです。

病院に行くと吸入器の前に座り、
キメの細かい霧を吸い込んで楽になるのですが、
ナンセ1分もしないうちに「ハイ終了でーす」

この吸入器、せめて自宅にあれば、と、探してみたところ、
たどり着いたのがこちらです。

「新生ケンヨー吸入器」

オークションで、奇跡の新品未使用です。
発売後、少なくとも30年以上は経っているはずです。


シンプルな説明書です。
こんなことしたら危ない!壊れる!と警告だらけの
親切でブ厚い説明書とは異なります。


じつは幼少時にさんざんこれにお世話になりました。
当時と同じものがまさか目の前に現れ、
当時と同じ状態で手に入るとは夢にも思いませんでした。

一見大がかりな理科の実験装置ですが、仕組みは単純です。
そして、保存状態が良くても避けられない経年劣化、
とくにヒビでも入りそうな気がする樹脂部分、
まったく変質していないことにビックリです。

そしてなによりも、開発、製作された方々の

「咳に苦しむ人々を楽にする!」

という気概が伝わってきます。


いかにして利益を上げるか、他国製造などで原価を安くするか、
がわかりやすい現代の商品とつい比較してしまいます。
古くなったらまた買えばいい、とか どうせ古くなる、を
前提に商品を購入するという悪循環を思い知らされます。

そして吸入器に限らず、過去の製作物に触れたり眺めたりすると、
将来へ繋がるヒントがじわじわ伝わってくる気がいたします。
古いものを愛するのは、キチンとした理由があるからです。

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