佐多岬へつづく道

先日出会った本のご紹介です。
ニッポン縦断日記 アラン・ブース著 1985年発行。
原題:THE ROADS TO SATA by Alan Booth


約40年前に日本を徒歩で縦断されたときの貴重な記録です。
車でもバイクでも自転車でもない、徒歩です。
日本の良いところ、悪いところが生々しく書かれています。


「日本のここがスゴイ!」系の情報で多大な期待をされる内外の方々には
自信を持ってお勧めすることができません。
逆にこれを読んで日本に興味持った方々とは語り合ってみたい気もいたします。

自分が反省したのは、いつか埋め込まれてしまった海外への憧れを、
もう少し日本へ、日本人へ、日本の海や山へ注ぐべきだった、
ということです。


ブース氏が岩国基地を見学した際の短いエピソードには、
戦後30年経った当時も、米軍に気後れや不満を感じていた
自衛隊員との人間くさい交流が書かれています。

当時基地内では米ドル通貨使用で、
周辺居酒屋の一部では、米軍をあえて出入り禁止にして、
自衛隊員がホッとする空間を創ってあげていたそうです。

今はそういうことはなくなったと存じますが、
情報が伝わる手段に制限があった頃、
「敗戦国」
「日本が悪い」
など自信を持てなくするよう煽動した人びとや
テレビ、報道機関などがあったとしたら、
罪深いことをしたなぁと痛感します。

コメント