えかきのポール

先日出会った本です。
「えかきのポール」
1981年発行。
作:佐々木 利明 氏、絵:小沢 良吉 氏。


一見、海外作品にも見えますが、純粋に国産です。

パリの街角で絵を売る若い猫、ポール。
しかし絵は一向に売れません。

紳士の猫が教えてくれます。
「きみだけの うつくしいものを 見つけることだよ。
ひとのまねをするんではなくね」

なにげに心にズシンと来ます。




登場するのはすべて猫で、その瞳の美しさには
ついつい吸い込まれてしまいます。
絵を描くことが好きなこどもやおとなのみなさま、
猫好きな方々にぜひとも手に取って読んで/見ていただきたい本です。

そう、創造物のすべては、唯一無二であるべきで、
遠い昔からずっとそうでした。
創作者の多くは、人の絵や作品を真似して(模倣して)上達してきましたが、
全く同じもので名声や富を得ることは罪や恥とされてきました。

そんなことをフト思い出させてくれる紳士のひとことでした。

それにしても、
これぜったいおもしろいから!見て!
と言いふらしたくなる本と、
ベストセラーだから書店やネットに大量に出回っていて、
注文すれば数日中には届く、という本は
イコールではない=なかなか釣り合わない
という気がするのは自分だけでしょうか。

本を探す/本に出会う喜び、というのも本の内容以上に
多くの方に知っていただきたいです。

ただし、誰の手にも触れていない、傷がついていては
ぜったい困る、という方には向きません。

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