故人と電子マネー

このまま使えるけどそれでいいのかどうか悩んでいたのが、
故人が所有していた電子マネーです。

過去に身内が同じ電子マネーを駅で紛失したことがあります。
その際は、使用停止→再発行→発見時の手続きなど、
本人確認や記入書類など、とにかくたいへんでした。
その手続きも、電子マネーを使用できるところ:バス会社でもなく、
駅に、それも数回行く必要がありました。

それを思い出すと、万一紛失などで発見されたとして、
(落とした人が想像する以上に落とし物は届けられています)
本人ではない、本人はどうした、この人だれ?
などのやりとりを想像すると、
その事務手続きはまたさらにめんどうでたいへんな作業になるでしょう。

だから正直に、払い戻しを申し出ることにしました。
バカ正直でしょうか。
うしろめたい気持ちが少しでもあると、うまく前進できないものです。

故人の電子マネーとともに駅の窓口へ持参したのは、
死亡届のコピーです。

駅の窓口では、
「コピーしていいですか」
と言われたので、それコピーですから差しあげます、
とお伝えしました。
自慢にもなりませんが、こういうこともだんだん
要領を得てきました。

用紙に故人の氏名、電話番号、生年月日を記入後、無事に
払い戻し金を受け取りました。

金額を見て、
「まだまだ乗る気満々だったのだ」
と、しんみりとしている場合ではありません。

残された者たちには、
生きていく
という最大のミッションがあるのです。

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