みつやくんのマークX

みつやくんのマークX(エックス)、1973年発行。
作:渡辺 茂男 氏、
画:エム・ナマエ 氏。


マークXというとあの有名な車が思い浮かぶ方も多いでしょう。
しかしみつやくんのマークXは、見た目も中身も別モノです。

自分が最初にこの本の表紙を見たとき、
漠然とした夢のような乗り物と、どこにでもいそうな男の子、
みつやくんを想像していました。

ところが読み進めるうちに、
乗り物の特長やエンジンの場所、絵の細部にいたるまで、
あまりにも具体的すぎてちょっとビックリでした。






絵もすばらしいのですが、この絵本に携わった方々の、
自分たちはこんなに乗り物が、エンジンが大好きなんだ!
という前向きな気持ちがしっかり伝わってきます。

最後は、絵本にありがちなオチですが、
やがてはみつやくん、ほんとうにこんな技師になるのかも、
というわくわくするような余韻を残しています。

生きていくためにはそれを支えるもの、技術が必要です。
技術をもった人たちにぶらさがって、
手は出さずに口を出す:適当に意見を述べて
偉そうに生きていくのではなく、
自分の力、身につけた才能で生きていく。
自律/自立して強いおとなになっていく、
多くの親御さんたちの理想ではないでしょうか。

できれば幼少時からこういう目標に向けて
それを当たり前として成長する習慣を身につけて
いただきたいものです。

そのきっかけにじゅうぶんなりうる、
みつやくんのマークX
多くのこどもたちにお勧めしたい絵本です。

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