「ボケずに元気に80歳!」新見 正則 氏 著

先日出会った本をご紹介します。

「ボケずに元気に80歳! -名医が明かすその秘訣-」
新見 正則 氏 著、2017(平成29)年6月発行。




健康でいるためにはどうしたらいいか、と
長々と説明するタイプの本ではありません。

老いていくことを自然に受け入れるにはどうしたらいいか、
わかりやすく、身近なことばで説明されています。

タイトルからは、70代以上の方向け、
と解釈しそうですが、20代から読まれると、
その後の人生設計に大いに役立つでしょう。

自分は過去に「医者や薬に頼らない」的なタイトルの
本を複数読みました。

医者や製薬会社は、人々の健康のために、
という前向きな理由で存在するのだろうと、
最後まで信じたかったのですが、
やはり…という印象でした。

そしてそれを決定づけたのが、同書の中の文です。

「製薬会社はボランティアではありません。
NPOでもありません。
利益を追求する株式会社です。
株価を上げ、株主配当を増やして、
資金を調達しなければ、新しい薬を開発できません。
企業としては、できる限り薬が売れるように
販売促進計画を立てるのは当然です」

人の命より先に、会社の利益を守らないといけない。
薬を飲むように仕向ける=病気である、という意識づけです。
病気といえない部分も「放置したらたいへんなことになる」
と促します。
これは恐ろしいことです。

自分の身内は大量の薬投与で吐き気→投薬→吐き気の繰り返しで、
強引に寿命を短縮させられました。
医者がいうことだからと盲信してしまった自分は、
単に知識や経験不足でした。
無理やりでも薬を止めさせればよかったという後悔を
ずっと引きずっています。
できればこういう過ちは、みなさんに繰り返していただきたくない。

そしてその一方で、ある程度は「天命」と冷静に受け止める
勇気を多くの方に持っていただきたい。

著者は、それをわかりやすく車に例えています。

人はだんだん壊れていき、やがて死にます。
車も新車のまま走り続けていくことは無理です。
経年変化で見た目もそれ相応になります。

新車当初から手入れ点検もせず乱暴に乗り回したり
外に放置したり大切に扱わないと早く壊れたり、
とんでもない部分に不調が生じます。

…というかんじで、車をお持ちの方なら、なんとなく実感いただけると存じます。

著者の愛車はスバル レガシィ アウトバックだそうです。

車をよくご存知の方なら、著者は車好きでいい選択だな、
とすぐにおわかりいただけるでしょう。


ところでこの文庫本は、書店で注文しました。
いまどきネットで注文すれば翌日に着くところ、
「入荷しました」と連絡をいただくまで、
1週間かかりました。

とくに特典やポイントがつくわけではありませんが、
書店で買った本には、ブックカバーをつけていただきます。
そのさりげなくあざやかな手つきも感激しました。

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