教えたくないお店

先日は、近所の方に教えられて、あるパン屋さんに行きました。
たまに通る道ですが存在は知りませんでした。


火曜日の午後のみ営業です。
入口にお店の看板はありません。
窓の外から川のせせらぎが聞こえてくるだけの、
静かな場所です。


市内なのに、リゾートや高原のペンションに来たような、
ほっとするような空間に出会えてちょっとビックリでした。

しかしここをSNSなどでおおっぴらに伝えたらどうなるか。

いまどきインターネット上の地図や画像、評判を頼りに、
遠方から人々が大勢やってくるのは容易に想像できます。

でもここは別荘地でも観光地でもなく、
近くには病院やゴルフ場もあります。
住居もたくさんあります。

小さな駐車場からはみ出た車が路上を埋め尽くしたら、
片側1車線の道路は巨大なミニバンでアッというまに大渋滞です。
個々にそんなつもりはなくても、
見ず知らずの方々に多大な迷惑をかけてしまうでしょう。

大量の商品を売るためにお店の方々は苦労し、
質が落ちたとすれば、さらに一方的に
「マズイ」「おいしくない」「小さい」
という無責任な評判が伝わっていく可能性もあります。

場所も環境も整っているのにお客さんにうまく伝わらなくて
営業に困る、
というお店ではなくて、
人々がそっと口コミだけで広げていったり
大切に維持/配慮するお店も多くあるのだと
改めて気づかされた時間でした。

どこの地域でも、近くにこういうお店がきっとあるはずですので、
インターネットに逆行する形ではありますが、
話題になっていない場所やお店をこっそり発掘していかれることを
お勧めします。
それはなにげないようでいて、
地域を盛り上げるというりっぱな貢献活動だからです。

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