声をかける勇気

地元のバス停の掲示板です。


一見、捨てる人に対する忠告と見間違いましたが
じつはそうではなく、
「飲んだあとの缶やゴミを持ち帰ることなく放置する人を
どうか見て見ないフリせず、注意してください」
というお願いの文書です。

単に「缶を捨てるな」のひとことより
個々の胸にズシンと響く気がした点では、
さりげないようで崇高だと感心いたしました。

そこのバス停に限ってはウッドハウス風の建物で、
天候を気にせずのんびりバスを待つことができる
素敵な空間です。
飲んだり食べたりしたくなる気持ちもわかりますが、
そこは自宅の部屋でもなく自分だけのバス停でもありません。

過去に何度もゴミを放置され、そのたびに捨てていた方の、
怒りや悲しみは計り知れず。
何ヶ月もガマンした揚句のこの掲示だったのでしょう。

ゴミを放置していった人々は、ゴミがなくなっているのを見て、
きっと誰かが捨ててくれるから、
と都合の良いように解釈して再度捨てたのでしょう。

もしかしたらこの掲示が差別だパワハラだとか、古いしきたりと
指摘する方々がいるかもしれません。
しかし見知らぬ方々でも相手を思いやるのが
この国に古くから伝わる風習であり、礼儀として備わっていることです。

うっかり忘れたゴミを誰かが片づけてくれたら、
こんどは自分で片づけよう、とか
誰かが落としていたら自分で拾おう、
と思い直す人々が多かったので、こういう掲示板は
過去には必要とはしませんでした。

ゴミやタバコを道に平然と捨てる方々は、
単に他人に依存しているに過ぎないのです。

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