「この命、義に捧ぐ」

台湾、というと、
ひとつの島
と思い込んでいる方々も多いと存じます。
自分もそうでした(恥)

しかしある本を読んで、こんな大陸に近い島、金門県も
台湾だと初めて知りました。


その本とは、こちらです。
「この命、義に捧ぐ」門田隆将 氏 著。平成22(2010)年発行。




中共軍の(勝算しかないと思われた)攻撃から
金門県と台湾を救ったのは、元陸軍中将、根本 博 氏でした。
なぜ命の危険を犯してまで、他国に助言を与えに行ったのか。

それは、蒋介石氏への恩義を果たすためです。

あの玉音放送の後、多くの人々が満州を引き上げる際は、
関東軍が決まり通りに武装解除したために、
現地の人々やソ連軍からの略奪暴力(実際はもっとひどい行為も)
でひどい目に遭いました。

その一方で、ソ連軍や中共軍の恐怖政治的な暴力をよく理解していた
根本中将率いる駐蒙軍は武装解除を拒否、
軍刀や銃剣でソ連軍に斬り込むなど、
4万人の日本人を死守しました。
戦後ですから「反乱」に過ぎないのですが、結果として
国体を守り切ったのです。

無事帰国した駐蒙軍の方が語ったひとことが
今も自分の胸に響いてきます。
「軍隊とは国民を守るのが原点です」

死を覚悟して蒋介石と面会した根本中将に蒋介石は
「日本再建のために努力してほしい」
とねぎらい、根本中将は
「お役に立つことがあればいつでも馳せ参じます」
と約束して帰国しました。
もっと深い事情があるかもしれませんがそうした経緯から、
根本中将は台湾と金門県を中共軍から救いました。

戦後うやむやにされてきた(または意図的に報道されなかった)
貴重な記録であるだけでなく、

戦術/戦略とは、
人の上に立つ者とは、
義理とは、

が理解できる本です。

今どきこういうお話を知っても、
人のために命をかける行為は古くさい、
時代遅れな逸話と解釈されるかもしれないし、
今後もこれからも教科書には載る可能性は低いですが、
ずっと語り継いでいきたい1冊です。
できれば多くの方に読んでいただきたいです。

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