知識ゼロからの神道入門

たまに行く神社に向かう途中、
古書が店頭に並んでいる場所があります。
そこで出会ったのがこちらです。
「知識ゼロからの神道入門」平成18(2006)年8月発行。


最近は以前よりもよく神社に行くようになったものの
じつは深くは知らなかった神道ですが、
絵と文で難なく理解できました。


まず気になったのが地元の神社です。大山の阿夫利神社では、
大山祇神(大山津見神:おおやまつみのかみ)をお祀りしています。
神格はホームページを拝見すると山の神、海の神、酒造の神と
記載されています。
「神道入門」を読むと、大山祇神は海上守護、武神、軍神でも
あることがわかります。

富士山本宮浅間大社がお祀りしている木花咲耶姫(このはなさくやひめ)は
大山の大山祇神(大山津見神:おおやまつみのかみ)の娘です。
大山と富士山は親子、とも言えます。




このように、お祀りしている神様は、神社ごとに異なります。
住居のある場所に合わせてここ、とこだわる必要もなく、
目的や願い事に応じて柔軟に参拝する神社を歩き回ってよいのです。

クリスマスの後はお正月そして初詣、
結婚式には見よう見まねで聖歌を歌ったり、
お葬式には読経に耳を傾けたり、
その柔軟さも神道の、なんでも受け入れる姿勢から来ています。

また、収穫物は神からの賜り物ですから、感謝して祭祀に捧げた後は
いただくと同時に神の力も得ます。
そしてそれは「働くことを善として喜びを見出す」
日本人の勤労観に生きています。

プロテスタントを除くキリスト教では、
「労働とは人類が神を裏切ったことに対する懲罰」
とされてきたので、うまくかみ合わないのも仕方ないでしょう。

ですから極端に労働環境の悪さや、今よりはるかに不便な時代に
苦労して働いた方々をバカにしたり、
良い仕事に就けないのは年配の人々のせいだと思わせる風潮は、
個人的には神道=日本を否定する方々の意図的なデマと自分は考えています。

さらに、神様が先祖だったなんてアホだ、とか古い、と罵倒する方々も
いらっしゃいますが、
「亡くなった人間は、生きている人間より優れた力を持った霊魂となって、
自然の働きを整えて子孫を見守る」
と先人の方々は考えていました。
今もなんとなくそうかな、と思える部分が多々あります。

日本書紀や古事記に登場する神々の、
完璧でも万能でもない人間くさく表現されているのは
みんな人だったから、と理解すると、
多少は演出はあるかもしれませんが、
ありえない寓話、とも言えないでしょう。

ただし、神道も他の宗教も、あまり深く掘り下げて
我を忘れてしまわないように、先人の方々は
ことわざとして残していかれました。
「ほとけほっとけ、神かまうな」

コメント