「昭和天皇巡幸」

少し前に読了しましたが、昭和天皇崩御の1月7日を迎えた機会に
ご紹介いたします。
「昭和天皇巡幸」昭和天皇巡幸編纂委員会
平成24(2012)年発行、創芸社。


テレビやビデオでごらんになった方も多いと存じますが、
昭和天皇は昭和21(1946)年から29(1954)年まで、
全国を行幸されました。
その緻密なスケジュールには改めて驚かされます。

しかし本書では、昭和天皇と巡幸の機会にお話をされた方々の
追体験ができる貴重で深い内容です。

取材をされた方々がここまで聞き出した技術やご苦労
に頭が下がります。
そしていままでマスメディアでは伝えられなかった
お話がまだたくさんあることにも気づかされます。

戦後、という退廃した世界の中で、それでも
「日本人に生まれてよかった」
と思わせたもの、復興へ向けて奮起する
きっかけとなったのが間違いなくこの昭和天皇の巡幸でした。

登場する方々の経験はとてもつらく忍びがたいものです。
しかし、それらは「しっかり生きろ」というメッセージとともに
背中を押してくれます。
恨みつらみ、憎しみ、怒りだけを持ち続けていては、
一歩も前に進めないのです。

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