古書と出会う楽しみ

先日は、地元の公共施設のお祭り的イベントの一環で
古本を販売するということで、興味本位に立ち寄ってみました。
チェーン店とは異なり、価格も良心的でした。

そこで出会ったのが
「ディーゼルエンジンの挑戦」(鈴木 孝 氏 著、2008年4月発行)
です。



「エンジン」の名前だけで軽い気持ちで購入しました。
帰宅後開いてビックリ。背表紙は経年劣化でわずかに色褪せていますが、
書店で抜き取ったり購入後は廃棄するはずの予約カードが
挟んである上に、ハードカバーによくある紐のしおりが、
未使用の状態でした。



おそらく持ち主はこの改訂版の前に買った同書の内容をご存知で、
保管用に(または後日読むつもりで)買われたのかもしれない。
読まれる前に処分を決められたのか、もしくは亡くなったのか。

このように古本を買うと、元の持ち主の方の思いに触れることがあります。
だいたいは同じ本にたどり着いた同士ですから、見えない相手を尊敬し、
共感を覚える場合があります。
本の内容に良い/悪いとランクづけする立場ではありませんが、
ゴミがはさまっている本と、例えば植物の葉を根気よく乾燥した
美しい「しおり」がそっとはさんである本は異なります。

ほんとうは新しい本を買って経済を回さないといけないのでしょうが、
あえて書店には行かない、古本との「出会い」はしばらく続きそうです。
ある日目の前にフッと現れる、というのは、先人やご先祖様の
メッセージと受け取っているからです(注:宗教とは異なります)

大げさに聞こえるかもしれませんが、自分は
そういう漠然としたことを信用するような人間ではありませんでした。
そうして出会った本を読んでいるうちに、
生活のしかたや考え方が変わってきたので、
やはりなにか意味があるのだろうと考えております。

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