梅干と日本刀

「梅干と日本刀」という本をご存知でしょうか。
すでに読まれた方々も多いと存じます。
著者は樋口 清之(ひぐち きよゆき)氏、
昭和49(1974)年発行。



続けて購入して読んだのはこちらの「続・梅干と日本刀」です。
舞台が江戸(東京)にこだわってしまった気がして
少し惜しい気もしますが…



裏表紙には、なんと松本清張先生のイチオシ文。


いずれも「日本人のここがすごい!」本の類とは異なります。
すなわち、おだてて落とす手法の本、報道、ワイドショー、ドラマ
などとは全く違います。

どちらかというと「ウワーそうなのか」とドン引きしてしまう
内容さえあります。切腹の説明などトラウマになりそうです。

しかし、この国が:生まれ育った人々が世界に比べても
「特異」であることがわかる一方で、
自分の勉強不足、苦労や経験が少ないことを思い知らされ、
もっと創意工夫しなくては、先人の方々もここまでできたのだから、
と気づかせてくれます。

そこが、巷ではトンデモ本と悪口を言われても
自信を持って「違う」と否定できるところです。

この国で大丈夫かな?
友達が言うようにホントにダメな国なのかな?
と心配される方々が周囲にいらっしゃったら、
ぜひともお勧めいただきたい本です。


ところで、文中に地元に近い場所が出てきたので、
現在を知りたくて検索したところ、このブログが出てきました。
以下はスクリーンショットです。





以上です。
文章がほとんど同じなので、あぁそうかこの方も
「梅干と日本刀」を読まれたのだな、と、
「ここから引用しました」の文を探しましたが、
どこにもありません。

文章を引用する場合は、引用元も掲載する。
それが世間の常識、というか礼儀と考えていました。
引用したらしたで、悪い印象になるわけがないのに、
惜しいことです。


過去に、オリンピックのシンボルマークが、結局は
模倣であり差し戻し、という前代未聞の事態があったことは
ご記憶に新しいと存じます。

「模倣」が悪いのではありません。
どの世界でも、影響は必ず受けます。

それを「これをヒントにしました」と告げることなく
自分がルーツです、と堂々と言ってしまう情けなさ。
どうせバレないだろうという根拠のない自信。

「梅干と日本刀」が、苦労や工夫を乗り越えて
自信を持ちなさいよ、独自性を大切にしなさいよ、
という本だけに残念です。

さらに驚いたのは、「続」が出版された
昭和50(1975)年の時点で、

「(戦後)約30年、虚構な劣等感を抱きすぎて、
今の不幸につながっている」

と樋口氏が嘆かれていることです。
今も似たようなものだと知ったら、樋口氏は
あの世で苦言を呈するかもしれません。

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