ボケ老人にならない方法はあるのか

 2年前(12月中に2回)に続き、

今年の年頭に、3回目の徘徊行為で

行方不明になった近所の知人がいる。


自分を含む近隣の人々は

暗闇を必死で探した。


1回目と2回目は警察のお世話になった。

2回目は警察の方々もさすがに

イラッとしているのがよくわかった。

3回目は近隣の方々が車や徒歩、

自転車や原付で探し回り、

偶然にも見つけることができた。


それで数日前、ついに4回目か??

と焦るような出来事があった。

今回も行方不明寸前で、

近隣の方が見つけてくださった。


つくづく運の良い人だが

その強運が今後も続くのか、

全くアテにならない。


ご家族も、

「きっと誰かが見つけてくれる」

と楽天的である。

認知症と認めたくない気持ちも

あるかもしれない。


認知症の症状は複数あるが、

とくに徘徊者の探索は、

時間も体力も消耗する。


徘徊に出てしまう時間帯は

寒い日の夕方が多いそうだ。

自分が知人を探した日もそうだった。


※7月31日 追記。

同じ人で、徘徊〜行方不明寸前の案件が

再び発生したので、

「徘徊は寒い日の夕方に多い」

とは限らない。


真冬だけでなく、

炎天下で徘徊→行方不明も

行き倒れの可能性が高い。

徘徊は必ず防げるので、

周囲の方々は対策いただきたい。


行き先など全く見当がつかない中、

大声で名前を呼ぶ。

周囲はどんどん暗くなる。

普通に夕食をとって風呂で温まっている

はずの時間である。

誰かを責めても、起こってしまったことは

どうにもならない。


しかし徘徊行為は、ほぼ防げる行為である。

連絡先を書いたキーホルダーを付けたり、

服や靴へ名札装着、最近では

GPS装置が付いた靴もある。

できることはやっておきたい。


・・・と言うのは簡単だが、

現実は容赦なく迫る。


厚生労働省の発表では、

令和7(2025)年には、

65歳以上の認知症患者が

700万人=5人に1人

となる。


何かが起こった後では遅い。

どうか他人事と片付けず、予防と対策は

ひとりひとりが自覚していただきたい。


さすがに何回も探索に出ては消耗するので、

せめて原因と対策くらいは勉強しておこうと

読んだ本がある。


出典:木村 格 氏 著

「ぼけを考える

⏤その予防、治療、介護の実際⏤」

平成5(1993)年12月発行。


こちらの本には

認知症になりやすい性格や

認知症防止の10ヶ条が

わかりやすく記述されていたので

ご紹介する。


もうこの年だから性格は直らない、

と諦めないでいただきたい。

少し頭を柔らかくするだけで、

将来、人に依存したり

迷惑をかける機会が

減るかもしれない。



認知症になりやすい性格とは。


・若い頃から非社交的、自己中心的で、

 好きなことだけにのめりこむ


・他人のことには無関心で、

 友人と共通の楽しみを持たない


・気持ちを転換させることが苦手である


・活動的で、感情の起伏が激しく、

 癇癪持ち


・几帳面で、細かいことにこだわり、

 仕事も全て自分でやらないと気がすまない


・他人を信用して任せることができない


そして、高血圧、動脈硬化、糖尿病など、

確実に予防と治療をできることから始める。

その上で、次の10ヶ条を遵守していく。



認知症防止の10ヶ条


(1)人生は悩み過ぎずにゆとりを持とう

    なんとかしようと努力している間に

  時間が自然に解決してくれることもある。


(2)人生に楽しみを持とう

   心から楽しめることを見つけて

  一緒に楽しむ仲間を作り、

  周囲からほどよい刺激を受けることが

  若返りの秘訣。



(3)社会、家庭での役割分担を持つ

  社会での役割意識を持つことは

  楽しみを持つことと

  車の両輪のようなものである。

  楽しみだけを追求していると

  その後には虚しさが残ってしまう。


(4)若い気持ちと、若者を理解するということ

  頭の若々しさとは、常に柔軟な感受性を持ち、

  たとえ自分の理解を超えた相手に

  対しても理解を示し、学ぼうとする姿勢である。

  新しい感覚を受け入れず、自分中心の

  小さな社会だけに閉じこもってしまうことが

  認知症の始まりである。


(5)生活にリズムを持って

  まず、朝は早く起きて活動を開始する。

  これが1日の生活リズムを作る基本である。

  定年になって朝早く起きる必要がなくなっても、

  何かいいことがあると期待して早起きしてみると、

  案外本当にいいことが起きるものである。


(6)歳をとってもおしゃれを

  豪華に着飾ることではなく、

  自分に合ったおしゃれをする。おしゃれは自分のため

  であると同時に他人のため(礼儀)でもある。


(7)できるだけ手を使う仕事をしよう

  手をよく使うと、他のどんな仕事よりも

  多くの脳細胞に刺激を与え、脳を活発に

  活動させることになる。


(8)よく歩く習慣をつけよう

  歩くことで心臓や肺の働きが強化され、

  脳循環が改善する。同時により広い範囲の

  人々とも交わって、社会性も保てる。


(9)他の病気にも気をつけよう

  病気で入院すると、使わない筋肉は

  どんどん痩せ、骨が弱くなり、

  体力が急速に衰える。

  家族や隣近所の仲間たちとの会話もなくなるため、

  急にぼけてしまうことも少なくない。


(10)時には頭の健康診断を受けよう 

  耳鳴りやめまい、頭痛や手足のしびれ、

  あるいは物忘れが激しいなど、心配なことが

  あれば脳の健康診断(脳ドック)を受けてほしい。

  何もなければそれでよい。

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